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抗生物質大国中国 養殖業の真実

2011年05月02日
抗生物質大国中国 養殖業の真実
 
【新唐人日本2011年5月3日付ニュース】香港メディアによると、中国大陸では養殖業における抗生物質の濫用が深刻で、毎年およそ10トンの抗生物質が動物や魚の養殖に使われているという。人体に吸収されると、抗生物質が効かなくなる“スーパー細菌”を作り出す可能性があると、専門家は指摘する。
 
香港の“明報”は、中国衛生省細菌耐薬監督ネットの肖永紅教授の話として、中国では毎年約21万トンの抗生物質が生産され、うち3万トンは世界に輸出され、9.7万トンが動物の養殖に使われると報道。魚の養殖の場合、業者は利益を上げるため、汚れた水で魚を大量に養殖する。このような環境で育つ魚は免疫力がないため、病気を防ぐためには抗生物質を与える。すると、魚は汚染された水でも生き延びることができ、最終的に販売業者に手渡される。
 
もちろん、抗生物質に汚染された食品を食べても、すぐに命に危険が現れることはない。しかし、中国工程院の会員、鐘南山氏は、抗生物質の取りすぎは深刻な結果を招くと指摘したことがある。また、浙江大学付属第一医院伝染病実験室の肖永紅教授は、痩肉精は一部の人に危害を与えるが、抗生物質の濫用は全人類に危害を与えるとも警告する。
 
動物が抗生物質を取りすぎた場合、薬物に強いスーパー細菌を作り出す可能性がある。人間が抗生物質の残留した肉類を食べると、人体が保有する病原菌もおのずと耐薬性が強くなる。直接食べなくても、食物連鎖や自然環境によって最終的に人類に伝染されることになると指摘する。
 
また、中国の場合、この種の調査は関連部門の秘密に触れるため、情報の公開が難しく、調査の進行が非常に困難だと肖永紅教授は嘆いた。
 
ある養殖業者は、養殖で使われる抗生物質は痩肉精より遥かに多いだけでなく、抗生物質のメーカーも多く、全く監督されていないと、メディアに漏らし、波紋を呼んだ。
 
また、ある肉類加工業者によると、海産品はまだいいが、最もひどいのは淡水養殖の汚染だという。自然環境より数十倍高い密度で魚が養殖されるという。こんな笑い話もしたという。“風邪をひいたら、薬を飲む?その必要なはい。カニを何匹か食べれば治る。”
 
業界関係者によると、中国の8割以上の淡水養殖場の水は、汚染がひどく、うち抗生物質による汚染が最も深刻だという。
 
中国国家食品薬品管理局のデータによると、中国人の1人当たり抗生物質の消費量は138グラム、アメリカの10倍。しかし、動物の抗生物質摂取量は人間よりもはるかに多い。肖教授も、発表したデータの21万トンとは2006年の生産量だと認めた。しかし、北京科美東亜生技公司行長の応希堂氏によると、実際の生産量は40万トンだという。
 
抗生物質濫用の危険性は、すでに多くの専門家によって指摘されている。抗生物質を常用すると人体に残留し、一定量を超えると、最終的にはすべての薬が効かなくなると警告している。
 
(中国語)
 

 

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